政務の間をぬって、上野の国立科学博物館で開催中のダーウィン展を見てきました。ダーウィンが進化論に思い当たり、その論拠を集めていった過程が、印象深く紹介されています。ダーウィンは、世界一周の船旅において様々な環境の場所で、非常に多くの種類の生物の標本を採取し、その分析を行いました。それによって、同種の生物が、棲む場所の環境によって、その環境でも暮せるように少しずつ形を変えていることに気がつきました。また、古い地層の中に見出した生物の化石と似た形の現在の生物とを比べ、現在の生物は、古い時代のものから、暮らし安いように形を変えていることに気づきました。これらの検討から、自然淘汰の著想に至ったのです。
ただ、当時のキリスト教圏の国では、一般に、世界は神によって現在と同じように造られたものと信じられていました。ダーウィンの祖国英国も例外ではありませんでした。人間がチンパンジーから進化したという考え方など、とんでもない発想でした。ダーウィンは家族のことを思いやり、着想から20年近くも進化論の発表をしませんでしたが、その間でも着実に証拠を集め、理論を精緻にしていたようです。他の研究者が同様の着想に至ったために、ダーウィンは進化論を発表する決断をしました。「種の起源」の刊行は一般社会でも大議論を巻き起こし、若手研究者の絶賛を浴びるとともに、短い間に支持者を広げ、10年後には、ほぼ誰もが認める考え方として定着したのです。
タブーともいえる「神」の関わる領域で人類の長らくの思い込みを打ち破ったダーウィンの偉大な功績には、科学研究者の一人として、頭が下がります。展示会は、「人間としてのダーウィン」の視点も取り入れられており、感動的でさえありました。真実と信じるところの論拠を集めて理論を磨くこと―それは政治家としても、同じことです。今後も頑張ってまいります。
