自民党本部で、兵庫県の県議会議員の方々と地域医療についての意見交換会を行いました。兵庫県においても医師不足は深刻ですが、兵庫県では、病診連携を進めたり、大学に寄付をするなど、新たな取り組みも実施されています。私は、開業医と勤務医の話し合いの必要性とそれが形だけで終わらないように行政がフォローアップしていくことの重要性を主張しました。
先の事業仕分けでは、勤務医と開業医の収入の差が議論となりましたが、両者を対立軸としてとらえても、地域医療を守ることはできません。特に、医師不足に対応するためには、両者の有機的な連携を図り、軽症の患者さんは救急の場合を含めて開業医に治療を委ね、基幹医療機関の診療は高度な医療が必要な患者さんに集中するなど、両者が共に其々の役割を果たしていくことが不可欠です。勤務医と開業医の円滑な連携を推進するために行政が協力し、患者さんのアクセスを満たすとともに、勤務医の労働環境の整備をおこなっていくことが重要であると主張しました。
また、県議の方から高い高齢化率と医師不足に対処するため、総合診療医を増員させたらどうかとのご提言を頂きました。この点について私は、総合診療科をつくることには賛成ですが、医学生に最初から総合診療医としての教育を行うことには賛成できないという意見を述べました。専門的な分野を学ぶことは医学を深く知ることにつながりますが、医学の全ての面で専門家になることは不可能です。日本の医療の現状をふまえると、医学生には内科・外科といった対象の広い診療科目を深く学んでもらい、その後、総合診療医となる方が質の高い医療を提供することができると思います。
意見交換会では、活発な議論が行われ、当初は30分の予定でしたが、1時間を超える白熱した意見交換会となりました。

その後、第3回NOTES研究会のイブニングセミナーにおいて、「NOTES関連機器の薬事承認と保険収載」をテーマに特別講演をしました。NOTESとはNatural Orifice Transluminal Endoscopic Surgeryの略で、これまでの腹腔鏡下手術が、どこか体壁の一部に小穴を開けることによって腹腔内に到達していたのに対し、身体の自然の開口部である口、肛門、尿道、膣等から入り腸管などの臓器に小穴を開けて腹腔内に到達する新しく提唱された手術方法の総称です。これまでの腹腔鏡下手術等の内視鏡下手術は低侵襲でしたが、NOTESは、更に一層の低侵襲化を図る体壁に全く傷を残さない方法です。現在、内視鏡外科の先端的な研究者の間で試行され始めており、毎回のNOTES研究会には、多くの研究者が集まり、熱心な討議が行われます。外科医の大部分は、法律についてほとんど何も知りません。私は、弁護士である一方で、革新的医療機器を用いた新しい内視鏡外科を研究してきましたので、今回のテーマでは、現場の状況をリアルに捉えた問題設定と解決方法の提示を行うことができました。多くの皆さんから、「大変有益な話だった」と褒めていただきました。