参議院の本会議場において、予防接種法等改正案について、自由民主党・改革クラブを代表して反対討論を行いました。
[参議院インターネット審議中継ビデオライブラリにて映像をご覧頂けます。]
本法案では、今回の新型インフルエンザ対策における最大の問題点、すなわち、国内のワクチン生産体制の脆弱さに対する対策が全くなされていません。さらなる強毒性のウイルスへの懸念が高まる現在、ワクチンの国内での生産体制の整備・拡充を図ることは喫緊の課題です。しかし、本法案では、その考慮がなされておらず、損失補償の扱いにおいても、海外のワクチンメーカーのみが有利に取り扱われるようになっています。現在、国内のワクチン製造を担っているのは、小規模な4つの事業者ですが、海外のメーカーは世界的巨大企業ですから、国内メーカーは大変不利な状況になります。当然のことながら、国内のワクチン生産現場の担当者からは、「非常に不当に思う」との声があがっています。このままでは、日本のメーカーは、賠償責任という大きなリスクを抱えつつ、研究開発を行っていくことになり、研究開発、ひいては生産自体の萎縮が懸念されます。
また、本法案では、我が国の立ち後れたワクチン行政が改善できないことも見逃すことの出来ない問題です。欧米各国では、ワクチンを積極的に活用しているのに対し、我が国は、その多くのワクチンが未だ未承認であるなど、「ワクチン後進国」ともいわれています。現在の予防接種法では、例えば、インフルエンザ菌b型や肺炎球菌、ヒトパピローマウイルスなど、WHOが勧告で推奨する予防接種も対象となっていません。医療関係者からは定期接種導入の期待が高く、予防接種法の対象疾病を拡大すべきです。同時に、ワクチンの有効性・安全性や品質を審査する医薬品医療機器総合機構の審査体制も、大幅に拡充すべきです。また、現在、多くのワクチンは、ワクチン接種者が実費を支払うことになっていますが、予防効果の高いワクチンは公費助成すべきです。このような方策を組み合わせて初めて国民の健康や生活の安全を守っていけるのに、本法案では、これらの課題への対策は全て先送りされています。
子ども手当でばらまかれる財源のほんの一部でも、新たな定期接種の導入やワクチン接種費用の助成に回せば、国民の健康や安心は大きく推進されるのです。
このように政府には、公衆衛生政策におけるワクチンの意義の認識が欠如していることを指摘し、私自身としては、今後もインフルエンザの未然防止と重症化の歯止めを徹底して進めるとともに、国内ワクチンの生産体制強化に全力を尽くすことを国民の皆様にお約束して、反対討論を終えました。
