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活動報告

2月29日

年金改革議員連盟の会合にて、現在において統合の手掛かりが得られていない1950万件余りの年金記録について、私の調査の中間報告を行いました。社会保険庁の推計が統計学上は杜撰であり、意味が無いことを明らかにしました。今後は限られた方策を駆使していくことになりますが、最後まで不明となった記録の国民一般への公示方法を含め、検討を行いました。
衆議院は夜半までの長い一日でした。予算案は通過し、参議院での論戦が始まることになりました。


2月27日

私が以前から委員として参加してきた次世代医療機器評価指標策定事業のワーキング・グループの会合にオブザーバーとして参加しました。委員全員の長年の懸案であった「高度医療評価制度」が創設されることになり、皆から、従来の制度の不合理性を国会の場で追及してきた私に対して「よく頑張った」と声をかけてもらいました。今後は、専門家の側が制度の内実を充実させていく役目を果す番です。現実的でありながら倫理性を確保した評価指標の取り纏めに向かい鋭意努力を続けることになりました。


2月26日

朝の部会で、再生医療について世界初のiPS細胞作成に成功した京都大学の山中伸弥教授から講演がありました。世界的競争の中で、米国がiPS細胞の研究について非常に多額の投資をしている現状について報告があり、研究基盤整備と特許戦略についての国の支援が求められました。iPS細胞は現在の難治性疾患への画期的な治療法として多大な可能性を持つものですが、現実の臨床応用までには幾つかの課題があります。私は専門的立場から、ベクターウイルスの安全性、iPS細胞の低い収率、添付する生理活性物質、iPS細胞の作成に用いる皮膚細胞の遺伝子の加齢的変化等の問題について、技術的方法論にまで踏み込んだ質問をしました。山中教授は「専門的な質問が来るとは思わなかったので、心の準備が出来ていなかった」と言いながら、課題解決へ向けて考えている方向性について意見を述べました。部会終了後に話した際には、技術的問題は今後の特許戦略にも大きく関係する重要な点であり、今後も情報交換を続けていこうということになりました。


2月25日

行政監視委員会で地球温暖化問題に関する参考人質疑を行いました。(開会日:2008年2月25日 (月)会議名:行政監視委員会)
京都大学公共政策大学院の諸富徹准教授が排出権取引制度について解説をしました。議員からの質疑の多くは未だ一般的・抽象的なものですが、欧米諸国が制度の導入に取り組む中、日本においても現実の制度設計を検討する段階に来ていると思います。私は、排出権制度の設計や環境税とのポリシーミックスについて、国際制度比較と経済効率性の理論的側面から専門的な質問をしました。委員会終了後、諸富准教授から、私の質問から重要な示唆を得たと褒めていただきました。
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夜は、地元岩槻での中森ふくよ衆議院議員の報告会に出席し、ご挨拶しました。政策通である中川昭一衆議院議員の道路特定財源問題等に関する講演があり、後援者の皆さんは、熱心に聴いていました。


2月24日

三郷において、逢沢義朗県議会議員・副議長の彦成地区の報告会、その後、鈴木義弘県議会議員の東和西地区の報告会がありました。今後1年半の間には、衆議院選挙が行われます。三郷を含む第14区は、三林隆志衆議院議員が選出されています。両県議の後援会の皆様と三林議員を支援していこうと誓い合いました。

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2月23日

長年、民生委員として地域の社会福祉の発展に尽くされた川口市の立石幸子さん(立石康広前川口市議会議長のお母様)の叙勲の祝賀会がありました。立石さんは、いつも明るく、皆を元気にする方ですが、私も日頃から大変温かくご指導いただいております。叙勲を心からお祝い申し上げました。
その後、所沢へ移動し、並木正芳・柴山昌彦両衆議院議員と藤本正人県議会議員の3名合同主催のパーティーに出席しました。大変な暴風と砂嵐の中でしたが、森善朗元総理大臣の講演があり、1500人近くの市民が集まりました。森元総理の今後の政局についての長年の経験に基づいた示唆に富んだ話に、皆、魅了されていました。
その後、自民党埼玉県連小川支部の総会、次いで入間支部の総会へ出席して挨拶し、その後、坂戸の医療関係者の集会で講演を行いました。忙しい一日でした。

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2月22日

特許庁の肥塚長官と知的財産法の最新の世界的潮流について、学術的観点から意見交換する機会がありました。
第1点は、特許の国際的共同審査体制構築の問題です。特許は各国ごとの法律によって規制されていますが、グローバル化の中、世界各国に同様に特許出願する場合が多くなりました。申請件数も増加の一途を続けており、各国が共同して審査を進める体制を整えることが合理的です。そのためのインフラ整備について、検討が進んでいるところです。
第2点が、人道的観点からの特許の制限の問題です。エイズの医薬品については、特許によって高い価格が守られるため、エイズに苦しんでいるアフリカ諸国の人々が薬を使うことが出来ません。人道的観点からは、その限りで特許を認めず、安価に薬を供給すべきだという議論が進んでいます。
第3点は、特許訴訟の頻発による制度の変質の問題です。本来、特許は、発明者を守るとともに、情報を公開して利用を促進し、更なる技術開発と産業振興による社会的利益の双方を両立させるための制度です。
ところが、近年は、派生的な特許が多くなり、それらについて、多数の侵害訴訟が提起されるようになったため、その紛争処理費用が、企業の研究開発投資よりも、早い勢いで増加しているようです。そうなると、特許制度が技術開発の障碍になってしまいます。今後は、派生的特許には特許性を認めず、真に偉大な特許だけに認めていくような方針が採られるべきだと思います。
特許法等の知的財産法を十分理解している国会議員は僅かです。これらの課題を、長期的視点に立って政策に活かしていきたいと思います。


2月21日

朝の研究開発力強化政策の部会では、講師として慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授を招聘しました。岡野教授は私の学生時代からの大変親しい先輩で、米国留学後、若くして筑波大学、次いで大阪大学の教授を歴任し、母校に戻ってきた方です。京都大学の山中教授と並ぶ世界の再生医療の第一人者です。日本の研究機関の国際競争力上の問題や、国公立と私立の研究機関の連携の問題などを実体験の上にお話いただきました。生物科学領域に精通した知的財産権の専門家を育成することの必要性を強く指摘していました。
午後は、私が事務局長を務める超党派の健康食品問題研究会の会合がありました。日本の抗加齢医学のリーダーである坪田一男慶應義塾大学医学部眼科教授に、「食と抗加齢医学」というタイトルでお話をお願いしました。坪田教授も、私が学生時代から大変お世話になってきた方です。New England Journal of MedicineやLancetといった世界最高の医学学術誌に立続けに論文を発表される一方で、テレビや一般市民への講演でも科学的知見を非常に分かり易く解説をされる、天才的な才能に恵まれた方です。出席した議員も全員、大変に面白くて勉強になる講演だったと感心していました。
メタボリック症候群は加齢と不可分な関係にあり、健康食品の目指すのも抗加齢効果と言い換えられます。それは単に健康食品の摂取だけで目指すべきものではなく、食生活全体の改善を進めることが大切です。坪田教授は、食生活に関して一般的に信じられている幾つかの事実が、最新の科学的知見に基づくと間違っていることを指摘しました。

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2月20日

少数の専門家により長期的な視点から基本政策の方向性を話し合う党本部の「安心できる社会保障プロジェクト」のワーキング・チームの会合がありました。私も従前からメンバーに選任され、率直な意見を言ってきましたが、今回は、日本における医薬品や医療機器の承認の遅れの問題が採り上げられました。大学の研究者として、また、大学発バイオベンチャーの企業者として、政府の委員会等で、日本における医薬品・医療機器の研究・開発制度の不備を長年指摘しました。昨年度の選挙の際の公約にも、「医薬品・医療機器の研究・開発制度の不備を合理化して、もっと早く、もっと安く、患者さんが医療技術の進歩を利用できるようにする」という課題を掲げました。先の経済産業委員会でも、この問題を指摘しました。その努力も実って、4月から「高度医療評価制度」という新しい枠組みが創設されることになり、この課題は6ヶ月の議員活動で果すことが出来ました。この度、ワーキング・チームの中で、医薬品・医療機器分野の運営を任されたため、日本の医療の質を上げるためにも、健康関連産業を強化するためにも、一層頑張っていきたいと思います。
夜は越谷・草加の今井宏衆議院議員のパーティーに出席し、県民の皆様と楽しく懇談致しました。


2月19日

温室効果ガスの排出権取引制度に関する勉強会が開催されました。この問題には既に深く関わってきましたし、今後も議論をリードしていきたいと思います。EUでは制度がスタートしており、米国でも試験的に開始され、さらに積極的導入案が議論されています。日本も世界に後れることなく体制を整える必要があります。発展途上国との国際競争に晒されている産業界からは未だに反対意見が強いですが、地球温暖化は既に待った無しの状況まで進んできています。インドや中国を含め主要排出国の全てが参加する排出限度枠組みを構築する努力が必要なのはもちろんですが、京都議定書の発信国として、日本が環境問題のリーダーとして役割を果していくことこそ、長期的には日本の国際的地位向上と日本企業の発展に資することになります。今後も問題を直視して頑張っていきたいと思います。
その後、修復腎移植に関する議員連盟の集会が開催されました。宇和島で腎臓病にかかった患者さんから摘出されていた腎臓が、透析治療中の他の患者さんの腎臓移植による治療に用いられていた問題が主題です。外科医療と法に関する専門経験のある私は副会長に指名されました。この問題については、腎移植を受けたからこそ助かったという数十名の患者さんが渦中の医師や医療機関に対する処分に強く反対しています。一方で、専門家の調査では、腎臓を提供することになった腎臓病の患者さんに対して十分な治療や説明が行われていたかどうか、移植を急ぐあまり不必要な腎摘出が行われたのではないかとの疑義が持たれています。マスコミも含めて議論が錯綜しているところですが、中立的立場で検討を進めたいと思います。