2024年2月の健康科学コラム

No.39:ヒートショック

近年、高齢者が浴槽で溺死する事故が増加しています。厚生労働省の調査では、家庭の浴槽での溺死者数は、2006年から2016年までの10年で3,370人から5,138人へと、約1.5倍に増加しています。消費者庁によれば、浴槽での溺死者の9割は65歳以上の高齢者で、特に冬に多いとされています。冬に起こり易い浴槽での事故の原因として考えられているのがヒートショックです。急激な温度の変化によって血圧が大きく […]

No.38:睡眠

人は一生のうちの約3分の1の時間を睡眠に費やしているものの、人の心身の機能に関する睡眠の役割は、未だにほとんど解明されていません。一方、近年の研究で、睡眠不足が、うつ病や糖尿病、心血管疾患などの発生や、子供の発育の問題、不妊症、認知症の進行などのリスクを大きく上げることが明らかになっています。1日当たり7時間~9時間寝る人と比べて、平均6時間未満しか寝ない人は13%死亡リスクが高く、6時間~7時間 […]

No.37:認知症研究の進歩

突出した高齢化社会を迎えている日本において、認知症は、最も社会的負荷の大きい疾患であると推計されています。認知症の患者数は増加を続けていて、65歳以上の人口の推定罹患率は現在の約18%から、2040年には22.5%程度まで上昇すると考えられています。 これまでの研究により、認知症の約半数を占めるアルツハイマー型では、認知機能が正常な若年・中年期のうちから、15年~20年という長期間にわたってアミロ […]