健康科学コラム
2013年11月25日
No.5:「脂肪の質」について
肥満防止の観点からは、重量単位当たりのカロリーの高い脂肪(タンパク質と炭水化物は1グラム4キロカロリー、脂肪は1グラム9キロカロリー)の過量摂取は、最も注意すべき点です。 「脂質の質」が問題なのは、脂質の摂取が動脈硬化の原因となる血中コレステロール濃度に直結するからです。脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別できますが、飽和脂肪酸は、動脈硬化の原因となるいわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やす作用があり、過剰摂取は、虚血性心疾患や脳血管障害の危険性を増大させます。一方、不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを抑制するとともに、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす作用があり、それら生活習慣病の危険性を低減させます。 飽和脂肪酸は、肉類や乳製品に多く含まれる一方、不飽和脂肪酸は、魚や植物に多く含まれています。もちろん、食べ過ぎは禁物ですが、脂分の多い食材ではあっても、例えば、マグロやブリ,サンマ,サバなどの魚や、ナッツなどの植物は、積極的に摂るべき食べ物といえます。 【 脂肪の質の比較 】
|