No.45:がんの予防⑥・BMI
皆様も、体重管理には、多少の意識はお持ちのことと思います。肥満は高血圧や糖尿病などの様々な疾患の基礎となります。今回は、それらの他の肥満と関連した疾患の影響を補正した、肥満単独の健康影響に関するエビデンスのご紹介です。日本人の35万人以上のデータを併せたプール解析による定量評価を行い、BMI(体重[kg]を身長[m]の2乗で割った数)の水準が死亡リスクに与える影響を調べた研究では、全死因による死亡率については、BMI 23~25を基準(ハザード比=1)とした場合、男性では、14~19(1.78)、19~21(1.27)、21~23(1.11)の3つのカテゴリー全てにおいて死亡リスクが有意に上昇していました。死亡リスクはBMI 25~27のカテゴリーで最低(0.94)であり、それよりBMI高値のカテゴリーでは上昇に転じますが、統計学的に有意に高くなるのはBMI 30~40のカテゴリーだけでした。死亡リスクの上昇は、BMI高値(肥満)よりも、BMI低値(やせ)の方がより顕著でした。死因別で見た場合、「がん」による死亡リスクは、男性においては、全死因と同様に、BMI 25~27のカテゴリーで最低であり、死亡リスクの上昇は、BMI高値(肥満)よりも、BMI低値(やせ)の方がより顕著でした。一方、女性における「がん」による死亡リスクは、BMI 19~27までのカテゴリーではほとんど同じでしたが、BMI 14~19(やせ)とBMI 30~40(肥満)のカテゴリーでは、同様なリスクの上昇が認められました。
その他の研究結果等をふまえても、一般に言われているBMI 22は必ずしも最低の「全死亡」や「がん死亡」のリスクとなる体重とは言えず、多少は体重が重くても構わないと言えます。男性であれば、BMI 21~29、女性であれば、BMI 19~27の範囲を保つとともに、野菜や果物の積極的な摂取など食生活の見直しや、身体運動を増やすことなどに取り組むべきだと思います。また、男性も女性もBMI 30を超えるような肥満と同様に、BMI 19未満となるような痩せは(特に男性)、健康リスクであることを認識すべきと言えます。
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