HOME > トピックス > Topics No.9: 公務員制度改革について

2008.07.15

Topics No.9: 公務員制度改革について

image_look9
公務員制度改革基本法が6月6日に成立し、7月11日に内閣府に国家公務員制度改革推進本部が設置され、新たな公務員制度改革が始まりました。 今回の国家公務員制度改革は以下の7つの基本理念に基づいて行なわれました。(1)議院内閣制の下では内閣は行政権の行使について国会に対して責任を負っており、国家公務員がその原則に相応しい役割を適切に果たすこと、(2)多様な能力や経験をもつ人材を登用し育成すること、(3)官民の人材交流を推進し人材の流動性を高めること、(4)国際社会の中で国益を実現していくことの出来る高い能力を有する人材を確保し育成すること、(5)国民全体の奉仕者としての職業倫理を確立し、能力と実績に基づいた適正な評価を行うこと、(6)能力と実績に応じた処遇を徹底するとともに、仕事と生活の調和を図ることができる環境を整備して男女共同参画社会の形成に役立てること、(7)政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について説明責任を負う体制を確立すること、です。平たく言えば、縦割り行政のもと、国家公務員が国益よりも省益を優先しているのではないかという疑いを払拭し、行政府が一体となって真に国民のために仕事をする公務員を育成、活用するとともに、身分固定的なキャリア制度を廃止し、政策決定を官僚主導から政治主導にすることを目的としています。 大きな批判の対象となっている公務員の天下り問題については、同期が横並びで昇進していくキャリア制度を廃止するとともに、定年まで勤務できる環境を整備し、定年を65歳まで引上げることを検討するとしています。また縦割り行政を排除するため、内閣官房に新設される内閣人事局が、管理職員等の府省を超えた配置換えの調整を行うなど、国家公務員の人事管理事務を一元的に行うこととしています。 当初、法律案では、政治家と公務員の接触について、政治家に政策の説明などを行う政務専門官以外との接触を制限するとの規定がありました。しかし、衆議院での修正により、接触に関する記録を作成、保存、適切な情報公開について必要な措置を講ずることとされました。適切な情報交換や議論は適切な政策立案にとって有効かつ必要であり、接触制限はかえってその障壁となってしまうおそれがあります。例えば医療行政においては、医療の現場を知らない厚生労働省の官僚による政策立案に任せておくわけにはいかず、担当官僚との徹底した議論によって政策をあるべき方向に進めたことも多くあります。政治家と公務員の接触自体が悪ではなく、省益を優先した官僚のロビー活動や政治家の口利きによる利益誘導が問題なのであり、この修正は妥当なものであると考えます。 今回の基本法の精神が的確に実現されていくよう、国家公務員制度改革推進本部の今後の動きをしっかり監視していきたいと思います。