No.43:がんの予防④・食生活
食生活とがんには、世界的に多くの相関が報告されていますが、研究対象とする人種・民族の違いによって、結果が多少異なっています。 ここでは、国立がん研究センターの日本人を対象とした研究・評価の結果を紹介します。 国立がん研究センターが日本人を対象に行った調査では、男性では、食塩摂取量が高いほど胃がんリスクが上がり、最も高い群では、低い群と比べてリスクは2倍以上になりましたが、女性では明らかな関連が見ら […]
食生活とがんには、世界的に多くの相関が報告されていますが、研究対象とする人種・民族の違いによって、結果が多少異なっています。 ここでは、国立がん研究センターの日本人を対象とした研究・評価の結果を紹介します。 国立がん研究センターが日本人を対象に行った調査では、男性では、食塩摂取量が高いほど胃がんリスクが上がり、最も高い群では、低い群と比べてリスクは2倍以上になりましたが、女性では明らかな関連が見ら […]
前回は、喫煙と受動喫煙が、多くのがんやその他の疾患のリスクとなることを書きました。 ただ、喫煙はしないが、酒は飲むという方は、私を含めて多いと思います。 残念ながら、飲酒によりがん全体のリスクが上がることは、日本人においても確実と評価されています。 飲酒によって肝臓がん、大腸がん、食道がん、頭頚部のがんのリスクが上がることは確実で、男性の胃がんと閉経前女性の乳がんのリスクが上がることもほぼ確実です […]
国立がんセンターによれば、2019年の日本の喫煙率は男性27.1%、女性7.6%、男女計16.7%ですので、喫煙されている人も一定数いると思います。 喫煙は、がんの罹患に最も強い関係のある生活因子です。喫煙者本人のリスクとして、がんで亡くなった人のうち、男性で約30%、女性で約5%は喫煙が原因と推計されています。 煙草の煙に直接暴露される鼻腔、口腔・咽頭、喉頭、肺、食道などのがんは勿論、肝臓・胃・ […]
がんの治療や予防医学の進歩により、日本人の全がんの年齢調整後の罹患率は、2010年頃まで増加していましたが、その後は横ばい、死亡率は1990年代後半から減少しています。 最新の統計では、日本人が一生のうちにがんと診断される確率(2019年のデータ)はは男性で65.5%(3人に2人)、女性で51.2%(2人に1人)で、日本人ががんで死亡する確率(2022年のデータ)は男性で25.1%(4人に1人)、 […]
近年、高齢者が浴槽で溺死する事故が増加しています。厚生労働省の調査では、家庭の浴槽での溺死者数は、2006年から2016年までの10年で3,370人から5,138人へと、約1.5倍に増加しています。消費者庁によれば、浴槽での溺死者の9割は65歳以上の高齢者で、特に冬に多いとされています。冬に起こり易い浴槽での事故の原因として考えられているのがヒートショックです。急激な温度の変化によって血圧が大きく […]
人は一生のうちの約3分の1の時間を睡眠に費やしているものの、人の心身の機能に関する睡眠の役割は、未だにほとんど解明されていません。一方、近年の研究で、睡眠不足が、うつ病や糖尿病、心血管疾患などの発生や、子供の発育の問題、不妊症、認知症の進行などのリスクを大きく上げることが明らかになっています。1日当たり7時間~9時間寝る人と比べて、平均6時間未満しか寝ない人は13%死亡リスクが高く、6時間~7時間 […]
突出した高齢化社会を迎えている日本において、認知症は、最も社会的負荷の大きい疾患であると推計されています。認知症の患者数は増加を続けていて、65歳以上の人口の推定罹患率は現在の約18%から、2040年には22.5%程度まで上昇すると考えられています。 これまでの研究により、認知症の約半数を占めるアルツハイマー型では、認知機能が正常な若年・中年期のうちから、15年~20年という長期間にわたってアミロ […]
5月8日からSARS-CoV-2ウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同様の5類感染症となり、感染者や濃厚接触者の待機期間や、イベントや飲食店での制限が原則として無くなります。屋内でのマスク着用も原則不要(個人の判断)となります。ただ、ウイルスの性質が大きく変わるわけではなく、2023年も感染の波は繰り返すと考えらます。そのため、COVID-19に対する医療は段階的に移行することに […]
日本のCOVID-19も2年半の間に7回の感染の波が繰り返し、2022年8月末現在、累計感染者数も1800万人を超えています。2022年に入ってからのオミクロン変異株の波では、ワクチン接種が進んだこともあって軽症化しており、療養は自宅を基本とすることとし、感染対策と社会経済活動の両立が図られてきました。言ってみれば、SARS-CoV-2感染症を特別視しない、別に感染しても気にしない、という段階とな […]
COVID-19が徐々に一般的な感染症として社会に受容されつつありますが、5月になり、動物由来のウイルス感染症である「サル痘」(Monkeypozx)の患者が欧米20カ国以上で認められ、海外渡航歴の無い人も含めて200人以上の患者が確認されました。サル痘ウイルスは天然痘ウイルスと同じ系統に属し、自然界では、齧歯類やサルなどの動物で感染を起こしています。サル痘ウイルスのヒトへの感染は、1970年以降 […]