2013年11月の健康科学コラム

No.14:「食事によって脳を守る」

日本の糖尿病患者数は急増しており、2007年には、その疑い例を含めると2210万人と推計され、「日本人の5人に1人は糖尿病」となっています。糖尿病が恐ろしいのは、重症化するまでほとんど自覚症状が無く進行するため、気付いた時には合併症が悪化していることが多いことです。高血糖状態によって血管が傷害されるため、糖尿病を放置すれば、失明(網膜剥離)、慢性腎不全、末梢神経障害、足趾の壊死などを来します。人工 […]

No.13:無理なく運動を続けるコツ

適度な運動は、ストレス解消や疾病予防など、心身両面への効果が広く知られています。運動の重要性は分かっているけどなかなか続かない、という方に、継続する5つのポイントを紹介します。 1. 楽しんで続けられる運動を選ぶ まず、好きなものでなければ続きません。どんな運動や身体活動が好きなのか、続けるにはいつ、どの位やるのがよいのかを明確にしましょう。たとえば、午後に庭いじりをするのがよいのか、それとも朝焼 […]

No.12:災害時の栄養問題

災害時の栄養の留意点については、経過時間によって、表のように考えることが出来ます。 各フェーズの食事との関係 フェーズ0 24時間以内 エネルギー源、水分の摂取に配慮 フェーズ1 72時間以内 水分が重要。脱水症状、熱中症、血圧、身動きしないことから生じるエコノミー症候群などに注意する。 フェーズ2 4日から1ヶ月 食事内容が体調を決める。野菜不足からビタミン不足になりがち。 フェーズ3 1ヶ月以 […]

No.11:「骨粗鬆症」について

骨粗鬆症は、高齢者になって、骨の密度が薄くなってしまうために、背骨の変形や痛み、大腿骨の骨折の原因となり、要介護状態になることにつながる病態です。   骨粗鬆症の予防法としては、思春期などの若年期にカルシウムを十分に摂取し、運動の励行することにより、高い骨密度を獲得することが重要と分かっています。若年期に高い骨密度を獲得しておくと、後年になって骨密度の低下があっても、骨折を起こすレベルに […]

No.10:「調理方法や調味料にも工夫を!」

野菜や魚を中心とした健康的な食事であっても、調理方法によって、そのカロリーは大きく違います。一般的には、蒸す、焼く、煮る、炒める、揚げる、の順にカロリーは大きくなります。例えば、白身魚の場合、フライなら1匹のところ、蒸し料理であれば、2から3匹を食べることが出来ます。最近では、肉や魚を野菜とともに蒸す美味しい料理も多数紹介されていますし、蒸し料理に簡単に対応する電子レンジなども商品化されています。 […]

No.9:「日常生活と放射線」

福島第一原発の事故で、埼玉県でも放射性物質による健康被害に関心が高まっています。1979年のスリーマイル島の事故では、健康被害は見つかっていませんが、1986年のチェルノブイリの事故では、事件後1年間に28人が被爆により死亡しました。今回の事故は、これらの中間のレベルであり、環境中に放出された放射性物質の量は、チェエルノブイリの場合の100分の1程度と考えられています。   原子炉の事故 […]

No.8:「食事によって脳を守る」

高齢化が進むに従い、認知症患者が著しく増加し、特に、有効な治療法が確立していないアルツハイマー病が増えています。アルツハイマー病は、脳に異常なタンパク質が蓄積し、脳細胞に毒性を示すために起こる病気と考えられています。ロナルド・レーガン米大統領が退任5年目に自ら告白したことは有名ですが、どんなに活躍する人にも起こり得る難病です。   1935年、マウスの摂取カロリーを70%くらいに減らすと […]

No.7:「アルコールは身体に悪い」は本当か?

「酒で身体を壊す」というのは良く知られた事実ですが、酒好きにとっては、完全な禁酒は、かえってストレスになり、生活のクオリティーを損ないます。そこで、アルコールはどの様な飲み方でも身体に悪いのかが問題になります。 フランス料理は、バターを基調とし、動脈硬化の原因となる飽和脂肪酸が多く含まれているのに、フランス人では、アメリカ人に比べて狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生が少ないことが知られていま […]

No.6:トランス脂肪酸について

健康科学 No.6: トランス脂肪酸について 一般に、「マーガリンはバターより身体に良い」と信じられてきました。その理由は、バターは牛乳から作り動物性飽和脂肪酸が多いのに対して、 マーガリンは植物油を原料とし不飽和脂肪酸が多いからです。しかし、近年、マーガリンやショートニング、ビスケット等に多く含まれる「トランス脂肪酸」が悪玉のLDLコレステロールを増加し、善玉のHDLコレステロールを低下するため […]

No.5:「脂肪の質」について

肥満防止の観点からは、重量単位当たりのカロリーの高い脂肪(タンパク質と炭水化物は1グラム4キロカロリー、脂肪は1グラム9キロカロリー)の過量摂取は、最も注意すべき点です。 その上で、脂肪を摂り過ぎない(脂肪から摂るカロリーを全摂取カロリーの25%に以下に抑える)ことを前提として、さらに「脂肪の質」にこだわることが重要なことが明らかになっています。 「脂質の質」が問題なのは、脂質の摂取が動脈硬化の原 […]