健康科学コラム

No.26:新型コロナウイルス感染症②

1.「人流」と「接触頻度」って何? 緊急事態宣言の期間中、政府の専門家会議は、しばしば「人流」と「接触頻度」の積が、70%,出来れば80%減らして欲しいと言ってきました。そのため、マスコミでは、連日のように、渋谷駅や品川駅前の人出が何%だったと報道していました。実はこの「人流」という言葉は誤解を招き易く、感染の可能性のある人の数のことを指しています。すなわち、“Stay at home”の号令で、 […]

No.25:新型コロナウイルス感染症①

【味覚・嗅覚の異常について】 米国医師会雑誌に発表された論文では、新型コロナウイルス感染症患者の64.4%(130/202)が、嗅覚・味覚の症状があったと報告しています。嗅覚や味覚の異常がCOVID-19に現れることは、阪神の藤浪選手などの報道で知られていましたが、ここまで高いとは驚きでした。初発症状が嗅覚・味覚異常の感染者(11.9%)や、症状が嗅覚・味覚異常だけの感染者(3.0%)もいますので […]

No.24:遺伝子パネル検査

No.22で、本庶教授の開発した免疫チェックポイント阻害薬を用いた新しいがんに対する免疫療法について書きました。今回は、最近のがん治療のもう一つのトピックである遺伝子パネル検査について書きます。 がん細胞は、正常細胞の遺伝子に種々の変異が起こって異常な増殖をするようになった細胞ですが、それらの遺伝子変異に特異的な遺伝子産物が発現しています。近年、幾つかのがんで、このようながん細胞に特異的な物質を標 […]

No.23:風疹

風疹は、発熱、発疹やリンパ節腫脹を特徴とするウイルス性疾患です。症状は幅広く、重篤となる場合もあれば、感染してもはっきりした症状の出ない場合もあります。重要なのは、妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群(CRS)を発症する可能性があることす。CRSでは、動脈管開存、難聴、白内障、色素性網膜症などの先天性疾患や、新生児期の溶血性貧血、間質性肺炎、髄膜脳炎、精神運動 […]

No.22:がんに対する新療法

がん治療の薬物療法の主体は細胞毒を投与する抗がん剤治療ですが、近年、がん免疫を賦活化する新たなメカニズムを持った治療技術が次々に開発されてきました。ノーベル賞を受賞された京大の本庶佑教授が開発したのは、「免疫チェックポイント阻害剤」という新薬です。ヒトのTリンパ球は外来生物や腫瘍細胞を非自己とみなして、各種活性化物質を放出して攻撃する機能を持ちますが、Tリンパ球にはPD-1という受容体があり、ここ […]

No.21:ペットを飼うか、飼わないか?

最近、愛犬を赤ん坊と同様に、高価な服を着せてベビー・カーに乗せている人を見掛けるようになりましたが、人と愛玩動物との接触が濃厚になってきています。動物由来感染症には、多くの細菌や寄生虫感染症が知られており、動物から人への病原体の伝搬は距離が近いほど容易になるので、注意が必要です。犬・猫の口腔内常在菌によるパスツレラ症は、犬猫咬傷による感染症では代表的なもので、局所の発赤・腫脹、発熱が主症状で、関節 […]

No.20:花粉症について

今年も花粉が飛散する時期となりました。花粉症は国民の約25%が罹患していると考えられる国民病です。花粉症の約70%はスギ花粉症だと推察されており、特に、スギの人工林が多い関東・東海地方では、スギ花粉症の患者が多くなっています。関西では、スギとヒノキの植林面積がほぼ等しいため、ヒノキ花粉症にも注意が必要とされています。関東地方では、2月から4月はスギ花粉、4から5月はヒノキ花粉が飛散します。  花粉 […]

No.19:ヒアリについて

本年5月に尼崎市で、6月に神戸市で、7月には東京、愛知などにおいて有毒な外来生物であるヒアリが発見されました。東京では大井ふ頭のコンテナ内に100個体以上が確認され、駆除されました。 ヒアリの原産地は南米で、亜熱帯から暖温帯地域に生息しますが、北米やオーストラリア、東南アジア、中国、台湾等にも侵入・定着しており、大きな問題になっています。ヒアリは、極めて攻撃性が強く、雑食性で、爬虫類や小型哺乳類を […]

No.18:受動喫煙対策について

喫煙が多種のがんや多様な循環器・呼吸器疾患等、健康に対する大きなリスクであることは言うまでもありませんが、現在では、受動喫煙による健康被害も科学的に証明されています。受動喫煙とは、喫煙者の口から吐き出された呼出煙と点火部から立ち上る副流煙を非喫煙者が吸い込むことをいいますが、副流煙には、喫煙者が吸い込む主流煙よりも多くの有害物質が含まれている場合があると指摘されています。WHOの専門機関である国際 […]

No.17:ジカ熱について

ジカ熱とは、ネッタイシマカやヒトスジシマカ等によって媒介されるジカウイルスによる感染症で、過去10年間には、南太平洋地域で流行が認められていましたが、2015年5月以来、ブラジルを中心とした中南米に多数の発症が報告されています。妊娠中のジカ熱への感染と胎児の小頭症に関連性が疑われており、2016年2月には、WHOが「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態( PHEIC )」を宣言しました。日本に […]