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活動報告

6月15日

埼玉県保険医協会の総会に出席し、ご挨拶しました。政治的には現在の与党の政策には明確に反対している協会ですが、同じく国民の健康と国民医療の発展を願っている医療従事者として、思いの基本は共通です。国民皆保険制度を守るとともに、医療をめぐる厳しい環境の改善に努めていきたいと思います。

その後、自民党新座支部の大会へ出席し、新しい高齢者医療制度についてお話ししました。

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6月14日

母校である慶應義塾大学医学部の同窓会の理事会と評議委員会が開催され、懇親会の席において議員となった旨の報告と挨拶を行いました。同窓の先輩医師たちには、政府の審議会や検討会の委員として医療行政にご尽力いただいている方々も多く、今後の一層のご指導をお願いしました。
また、健康科学研究の推進についてもお願いしました。特に慶應医学は、がんの個別化治療法や再生医療技術を用いた中枢神経疾患などに対する画期的治療法の研究・開発では、世界のトップレベルにあります。研究現場での経験を活かし、新技術についてのコミュニケーションを深めながら、個々の革新的技術に対して至的な研究支援・推進体制を構築していくことこそ、私の仕事であると感じています。


6月13日

法曹養成の在り方に関する公開討論会が行なわれ、中心的討議者の一人として、意見を闘わせました。
司法改革は、「より身近で、速くて、頼りがいのある司法」を目的としており、そのためには、幅広い専門的知識や柔軟な思考力とともに、豊かな人間性や説得・交渉能力を備えた、質の高い法曹を養成していく必要があります。ところが、現在、「平成22(2010)年ころには新司法試験の合格者数を年間3,000人とすることを目指す」という方針のために、従来の司法試験では合格できなかったレベルの受験者が合格することとなり、司法試験合格者の資質に格差が広がっています。多数の司法試験委員(採点者)が「合格者の専門的知識や思考力のレベルが低下した」と評価している上、司法研修所での修習の総仕上げである試験(いわゆる二回試験)に合格できなかった者も、従来は毎年数人以下でありましたが、100人を超える状況となっています。

さらに、法曹に必要な資質は司法研修を終了するだけで獲得できるものでは到底あり得ません。医学部を出たばかりの新米医師が、一人前に患者さんを診られないのと同じことです。独立して業務を行えるようになるためには、最低数年間は先輩弁護士について実務経験を積み、その過程で研鑽していくことが必要になります。しかし、現在は、受け皿となる法律事務所も法曹資格者の増加に対応することができず、このような実務を通じての基礎教育の場を提供することが非常に困難な状況となっています。「司法過疎」と呼ばれてきた地方においても気軽に弁護士に相談できる体制を整備することは重要なことですが、基礎的な実務トレーニンを欠いた弁護士では、本来であれば依頼人に認められるべきである権利を確保できなかったり、十分な紛争解決を行うことができなかったりして、依頼人に損害を与えるおそれがあります。

この様な状況では、多様化・高度化する法曹に対する需要に応えられないのは明らかで、単に合格者数を増加させるという現行方針は、「より身近で、速くて、頼りがいのある司法」という司法改革の趣旨に全く合わないどころか、国民の権利を損ない、司法に対する信頼を崩壊させかねない危機的状況を作り出しています。資質を備えた法曹を着実に養成していくことこそ政府の責任であり、法曹人口を増加させていく前提として、まず、その基盤を早急に整備すべきなのです。
しかし、政府は、未だ既定の方針にこだわって、法曹の塑造・乱造方針を改めようとはしていません。既定路線の擁護派は「法曹を増やすことによって、日本社会に法治精神が定着する」と主張していまが、それでは「医者を増やすことによって、病人を作る」というのと同じで、本末転倒です。訴訟社会と言われる米国では、紛争処理のために多くの社会的コストが生じ、最終的には消費者の物価を押し上げる結果となっています。被害者が泣き寝入りするような状況に対策を講じることと、法曹人口を増やすことは無関係です。司法制度の在り方は、他国の真似をするのではなく、話し合い解決を重視してきた日本社会の特性を活かして構築していくべきです。

以上の意見は、私だけでなく、多数の若手議員を中心とする100人近くの議院の一致した意見で、既定路線を擁護する議員と意見を闘わせています。既定路線派には、法科大学院に関する利権があるのではないかとの憶測も漏れ聞きます。私は、法曹としての、また法科大学院の教員としての信念に基づき、真に「より身近で、速くて、頼りがいのある司法」を実現するために、頑張っていきたいと思います。


6月11日

午前中の本会議では、合計20件近くもの法案や条約締結の承認の採決が行なわれました。捩れの中でも8割方の法案は圧倒的な賛成多数(多くは全会一致)で可決していきます。本日可決した法案の中には、新たな中小企業への支援策や訪問販売や通信販売の規制など、私が委員会に所属する経済産業領域だけでも、国民生活に直結する多くの重要法案があります。公務員制度改革が合意にいたったのも、本国会の大きな成果でした。むしろ、与野党が最終的な合意に至ることのできない少数の法案についてだけ、マスコミが意識的に採り上げ、「捩れ」を演出しているように感じます。

午前中に成立させる必要のある法案の採決を終えたところで、午後には野党から福田首相に対する問責決議案が提出され、野党の賛成多数で可決されました。「問責決議」に法的な効力はありません。民主党議員による本決議案に対する賛成討論では、「本来ならば解散総選挙が筋」であるという趣旨の発言がありました。しかし、解散総選挙は衆議院に関する事由であり、参議院においてとやかく言うのは両議院独立の基本原則を損ないます。良識の府であるべき参議院までも単なる政党政略の対象としてしか考えていない態度の表れだと思います。


6月10日

第4回の臓器移植法改正案勉強会でWHO移植担当理事のLuc Noel氏と国際移植学会会長のJeremy Chapman氏が、講演しました。現在までに臓器移植を受けた患者さんの治療成績は著しく改善し、多くは社会復帰して活躍しています。しかし、提供される移植用臓器は世界的に不足しており、移植の順番を待つ間に死亡する患者さんも多数います。移植を受ける機会が有るか無いかが人の生死を決する鍵となっている臓器もあり、事態は深刻です。特に日本は、世界の中で大きく取り残された現状にあります。先進国において保障されるべき人権を考える上で非常に大きな問題といえます。Noel氏は、WHOでは各国が自国内において必要な移植用の臓器を提供できる(self-sufficiency)体制を構築することを支援していく方針であることを、Chapman氏は移植医療を推進するには、政治の主導的役割が必要であることを強調していました。討論時間で、私が今回の日本の改正法案内容を説明したところ、Chapman氏はA案が成立すれば、日本の脳死体移植は10倍に増えるだろうと言っていました(講演を聴いていながらこの日の通訳の正確性に問題があると気が付いたので、私の討論は英語で行なっており、Chapman氏の見解は正しく理解した上での答えと考えています。)Noel理事からは、今後も密に連絡を取り合っていくことを要請されました。改正案の成立へ向けて、鋭意、頑張っていきます。


6月7日

朝はTBSテレビの「サタデーずばっと」に出演しました。「居酒屋タクシー」問題や高齢者医療制度について、山井和則衆議院議員(民主党)、山口那津男参議院議員(公明党)、小池晃参議院議員(共産党)と討論しました。官僚のタクシー帰宅については、当然のことながら、大幅に許容範囲の基準を見直す必要があります。自民党でも「無駄遣い撲滅プロジェクト」を立ち上げ、各省における支出の徹底的な検証を進めています。私も農林水産省と経済産業省の担当メンバーですが、タクシー費用やレクリエーション費用については、省庁横断的なチェック体制をとっています。

高齢者医療制度については、今週は野党も新制度の廃止法案を出していたので、旧制度の問題点をただ先送りするだけの無責任な態度に対しては、私も断固として言い返しました。ただ、政府の側の後手に回った対応と説明不足は否めません。新たな負担軽減策をしっかりと説明するとともに、都道府県の実務担当者と連携して、個々にご相談いただく事例について丁寧に対応していく必要があると思います。

大学の講義を済ませ、夕方より自民党朝霞支部の総会において、高齢者医療制度について記念講演を行いました。
その後、越谷に向かい、会長を務めている埼玉県ビーチボール協会の総会に出席しました。2011年に全国大会を主催することが決まっており、そのための準備の進め方について議論しました。相応の費用を要する大事業ですが、健康維持に最適なレクリエーションであるビーチボールの意義を出来る限り多くの皆様にご理解いただき協賛していただけるよう頑張っていきたいと思います。


6月6日

日本学術会議における「立法学」に関する2回目の研究会に参加しました。学術会議の会員を中心とした専門家だけのクローズの研究会ですが、立法府にいる学者として初回から特別に招かれています。「より優れた立法を行なうにはどうすればよいか?」が課題ですが、民主主義についての根本原理から学術的議論を興し、重要な新しい法律の立法過程を検証したり、諸国の立法体制との比較を行なったりすることを通じて、「立法の質」を試論する前例の無い研究です。この中では、衆参の捩れた今国会の状況の分析・評価も学術的側面から行われています。
参加している研究者は、多くは大学法学部の教員ですが、議院や内閣の法制局関係の方も参加しています。ただ、より良い立法行為のための学問であるならば、国会議員こそが第一に学ばなければならないはずです。今後、研究におけるエッセンスを国会に伝えていくために頑張りたいと思います。


6月5日

埼玉県医師会において今後の医療政策の討議と運営に関する会議がありました。埼玉県医師会は、もともと医療費削減を基調とする医療制度改革の方向性には反対しています。ただ、国の財政が逼迫する中で、どうやって増加する医療費を賄っていくのか、その点の議論は必ずしも十分であったとはいえませんでした。
また、医療機関の経営の中でも、今後見直していくべき点があるかもしれません。診療報酬の引下げが“医療崩壊”の主因の一つであったことは明らかですが、今後の財政状況の中で十分な引き上げが望めないのも事実です。だとすれば、医療機関が自ら少しでも経営を効率化する自助努力も不可欠になります。

埼玉県の医療を担うべき専門職域団体として、どうやって地域医療を守っていくか―今後は私も議論の中心メンバーとなって活動していきますが、現場の思いと知恵を統合すべく頑張っていきたいと思います。


6月3日

野党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案が厚生労働委員会で審議されました。野党の提案は高齢者医療制度を従来の老人保険制度に戻せというものですが、質問に立った与党の議員への答弁で、野党の提案者も従来の制度が良いと思っているわけではないことが明らかになりました。

少子高齢化社会において増加する医療費に対し従来の老人保険制度では対応出来なくなることは既に15年近く前から指摘され、平成12年当時から、老人保険制度を廃止して新しい高齢者医療制度を創設することが必要である点は与野党の一致した認識でした。現在の後期高齢者医療制度もその当時からの長い議論を経てようやく平成18年に成立したものです。既に議論は出尽くしているのですから、野党が反対するなら、単なる廃止法案ではなく対案を提案するべきです。もし、現在の制度より優れた対案があるのであれば、当然それを採用すべきだと思います。しかし、対案も示さず問題点が多い従来の制度に逆戻りさせるだけというのは、野党自ら政策立案能力の無いことを示しているといわなければなりません。

今週は政府も更に大きな制度の見直しを行いました。所得の少ない方の負担をさらに一層軽くし、なお保険料を負担できない事情のある方ついては、市区町村においてきめ細かな相談ができるよう体制を準備します。


6月1日

金子善次郎衆議院議員の岩槻事務所の開所式がありました。昨日までの雨とは打って変わって素晴らしい晴天の日、実に縁起の良い開所になりました。
その後自民党庄和支部の総会に出席し、新しい高齢者医療制度について説明しました。

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